フルタイムでやる仕事を作る #wantedlydev

先日 Wantedly さんのエンジニアリングマネージャー座談会に出演させていただいた。

wantedly.connpass.com

テーマは、「エンジニアリングマネージャーの課題を相談したい人が多い」「その相談パブリックにしよう」なので、自分が最近課題に思っている「変化の速度感」についてざっくばらんに会話できたらなーというのが期待だった。

イベント中には、大きく 4 つの話をしたのかな。それぞれ会話の中では話しきれなかったことも補足しつつ書いていく。

  • 技術スタックが違うチーム
  • プロダクトと専門組織のバランス
  • 専門組織を立ち上げるポイント
  • 採用と oss-guild

技術スタックが違うチーム

リンク先を見て貰うと顕著に分かると思うけど、はてなでは、そこそこバラバラな技術スタックを使っている。

hatenacorp.jp

インフラは AWSGoogle Cloud (オンプレはやっと撲滅した)。コンテナ運用基盤も ECS、k8s それぞれある。バックエンドでは Scala、Go、PerlPython、Node。Web フロントエンドは TypeScript/React/GraphQL に統一しつつあるが、Apollo と Relay を敢えて使い分けていたりする。(基本的には Apollo Client だけど、遊べる余地のある小さなプロダクトでは Relay を使おうみたいな)

1 プロダクトの中でも複数言語が使われていて、はてなで Web アプリケーションエンジニアをやるならマルチリンガルであることは求めていくことになる。

こうなっている理由は、事業のために最適な技術を選んだ結果なんだけど、これを成立させるためにどうしているかだと、1 プロダクトの中では専門性が足りなくても、会社全体で見ると統制が取れている、にしているつもり。そのために技術選定時に DesignDoc を書いているし、サブ会 があるし、はてな教科書 がある。

developer.hatenastaff.com

全社で 1 プロダクトでしか使っていない技術はあまり存在しなくて、横のつながりで同期を取ったり、専門性を高めたり、入門のハードルを下げたりしている。

プロダクトと専門組織のバランス

「横のつながりで同期を取る」と言ったが、本当にそんなことが可能なのか、という話題。10 年以上、技術イベントで登壇できる程度の位置は維持できているので「可能である」と思っています。

ここの肝は情報の透明性だろう。同じインプットを入れると同じ結論が出てくるので。どのチームがいつ何をやるか、どんな課題があるかを知っている状態である。毎週やっている 技術勉強会 や、スタッフが発信している社内ブログ、個人/社の技術ブログ。また、サブ会の会合を通して、技術選択や、技術ロードマップの優先度、スケジュール感の共有が行われている。

情報の発信が上手い人、情報の pull が上手い人、情報のハブになるのが上手い人がそれぞれいるので回っているんじゃないかと思う。リモートシフトで少しサイロ化が進んでいるので、すべてのベースが情報共有にあることを強く認識して、是正していきたい。

プロダクト側が、会社/世間の標準から外れすぎないよう意識して行動できているチームだからというのもあるかもしれない。

全体で緩やかな意思決定をしていると、緩やかなので、意図した変化速度にならないことが多い、というのがこの体制での悩み。その気になったら3ヶ月〜半年でグイッとやれないこともないが、やれる範囲でやると1〜2年かかってしまう、という速度感です。借金を返しきることがないが、返済に困り果てもしないぐらいで生きて行けているんじゃないか。

専門組織を立ち上げるポイント

サブ会のような、プロダクト側 90%、残りの 10% で参加する、という形だと、速度感が足りないし、専門性も高めきれない。サブ会の主軸のメンバーに対しては調整して 50% ぐらい持って貰うようにしてきたが、それにも限界がある。本当に力を入れたいならハコ (組織) を作ることになる。

が、かろうじて回ってしまっている中で、どう組織を立ち上げるか、というのが僕の悩みだったが、@kawasy がサクッと答えてくれたのが表題の言葉。

片手間では解ききれない量・質の問題がそこにあることを示し、その上でフルタイムで取り組む範囲を定義して、これで何が解決するのかを言語化することで、組織としてやる価値を示すのだろう。「フルタイムでやる仕事を作る」のが僕の仕事だなーと感じた。

採用と oss-guild

こういう緩やかな繋がりで「各位いい感じに」で回せる人をどう採用するかという話。これは OSS と地続きであることを是とする文化であれば採用も育成も実現できるんじゃないかと思っている。

前職のときに書いた内容だけど、大枠で言うとこういう意思です。

これをやっている人を採用するのだと書類選考から見ているし、

育成も含めてやっていくぞというのは社内の文化醸成として頑張っているところです。

tarao.hatenablog.com

まとめ

楽しい会だった。呼んでいただいてありがとうございます!

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第 4 回のゲストは id:Songmu さんです。楽しみですね。 wantedly.connpass.com