これは はてなエンジニア Advent Calendar 2024 の 3 日目の記事です。昨日は id:todays_mitsui による 不動点コンビネータで無名再帰を作る流れをおさらい with JavaScript - 無駄と文化 でした。
さて、オフライン回帰している昨今、In-Person でのコミュニティ活動や大規模カンファレンスがだいぶ復活してきました。少なくとも私の周り (京都) では In-Person イベントがデフォルトに戻ったなぁと思っています。そんなコミュニティ生活で、学びや繋がりを深めるためにはちょっとした「コツ」があります。そのコツを、三つの袋に例えてみました。
ノベルティ袋
最初の袋は「ノベルティ袋」です。これは自分の存在を認知して貰うための袋です。
コミュニティ活動では、たくさんの人と出会いますが、後日「見たことはある気がするんだけど」となりがちですよね。ここで活躍するのが、ステッカー類です。
例えば自分のアイコンのステッカーや、ちょっとユーモアの効いた名刺などを配ると、それが記憶に残って次回も話しかけて貰えたりします。先日もこんな話を見かけました。コミュニティの性質を感じて面白いですね。
デザイナーが集まるところで活版印刷の名刺を渡すと話が盛り上がって楽しい。作ってよかったな。
— takanorip (@takanoripe) November 29, 2024
あるいは自社のノベルティも効果的です。「あっこれ前貰った!」と覚えてくれる可能性が高まります。
ステッカーを貰って困るという人も多いかもしれませんが、カンファレンスでのノベルティ類はカンファレンスや年ごとにクリアファイルにまとめて取っておくと、数年後に見返したときに時代を感じて面白いですよ。毎回処遇に困っている方はぜひやってみてください。
ノベルティ袋、ぜひみなさんも準備していきましょう。自分の存在感を強める武器になります。
胃袋
次は「胃袋」です。これは特に遠方でのカンファレンスで重要です。
遠方開催の場合、たいていの人が小旅行として泊まりがけで参加します。そういう場だと、懇親会も一次会、二次会、そして三次会まで続くことも珍しくありません。懇親会の最初の方はどうしてもフォーマルな雰囲気が残っていますが、時間が進むにつれてお互いに打ち解け、本音や深い話が出てくるものです。それを味わえるのが三次会などの深夜の時間帯です。
特に「同じ時間を共有する」というのが良いのでしょう。懇親会の後半になってリラックスした時間、本音が漏れてくるような時間帯は、ただの情報共有ではなく心の距離を縮める時間になります。単なる単純接触効果を超えた効果がここにある気がしています。
同じ時間を共有した結果、朝帰りになったことで「戦友」という肩書きが増えていくのも、グッと絆を深めるポイントです。
朝帰りするRubyistたち。 pic.twitter.com/BrRjnSqUaR
— 大倉雅史(OKURA Masafumi) (@okuramasafumi) August 23, 2024
もちろん全員にすべての会に参加しろというわけではありません。健康第一です。でも、たまには「今日は締めのラーメンまで付き合うぞ」と覚悟を決めてみるのもいいものです。そのようにして生まれた絆や信頼関係はかけがえのないものになるはずです。
おーなかさんとかあーさーさんとか、いつ寝てるの?ってくらい元気ですごい
— わいとん (@ytnobody) November 30, 2024
命を削って参加してますからね。
胃袋をしっかり鍛えて、楽しみながら会話を重ねて、信頼関係を構築していきましょう。
パッチ袋
最後は「パッチ袋」です。
コミュニティに初めて参加するときに、自分から積極的に自己紹介するのは難しいかもしれません。でもコードを GitHub にアップしておくことで、自然とコミュニティの一員になれます。
先日 Kaigi on Rails 2024 に参加した際、以前 sinatra-activerecord gem に Pull Request を数件出していたことで @cupnoodle (現 sinatra-activerecord のメンテナ) から話しかけて貰えました。この出来事自体は 3 年前の Pull Request に言及してくれるという、ちょっと本当に凄すぎるエピソードなんですが、こういうこともあるんですよ。いや本当にビックリした。
先ほど「胃袋」とお伝えしましたが、飲み会で生まれるのは一時的な親近感だと思います。それも大事なんですが、長期的なコミュニティの存続のためには具体的な成果物が根底にあるべきと考えます。
コーディングは、成果物を共有できる、共同で成長できる、という性質を持っています。「このコミュニティにいると技術的に成長できる」「価値のある貢献ができる」という体験が Social Coding にあります。プログラマとしての我々がコミュニティに提供できる最高のものは、やはり工数。継続的に労働力を提供し続けるのが一番の貢献です。
パッチ袋には、コミュニティの存続を支える力が詰まっています。コードを通じた繋がりもいいものですよ。
むすび
というわけで、「三つの袋」について話してきました。ノベルティ袋で繋がって、胃袋でイベントを楽しみ、パッチ袋で技術を共有する。この三つの袋を持っていれば、コミュニティ生活をより充実したものにできます。ぜひ準備して、今後のコミュニティ生活を思いっきり楽しんでください。